ブリュノのノエルコンサート2020レポート(2)

ブリュノのノエルコンサート2020のレポートの続き。(レポート(1)はこちら
さて「クルーナー」のコーナーです。

Concert Noel03


「クルーナー crooner」って何?と思われる方もいるかもしれません。
ネットで日本の方々の解説を見ると、「1930年代に登場」「ちょっと鼻にかかった柔らかい声と,ジャズから学んだ節まわしを特徴(byコトバンク)」とする歌い方をする歌手たち、代表として、ビング・クロスビーやフランク・シナトラ、とあるのですが・・・。でも欧米ではおそらくその範疇を超えた枠になっていて、トム・ジョーンズやエルビス・プレスリーも入っているようです。

ブリュノは以前通常のコンサートツアーでは定番でクルーナーのコーナーをやっていました。その時にブリュノが着用していたのは、スパンコールきらっきらのジャケット。そしてブリュノは思いっきり彼らのマネをして歌っていました(笑)。

今回のMCでブリュノは語っています。「ノエルコンサートをやる時には必ず両親のことを思っているんだよ。」 ブリュノのご両親がこの時代の歌手たちが好きで、クリスマスの時期には家の中で曲がかかり、そして後年ブリュノはこういった歌手の素晴らしさを再発見し・・・。歌手としてのブリュノにも影響を与えてきたわけですね。

ブリュノのお父様はだいぶ前にお亡くなりになっていますが、お母さまはご健在で、今回のネット配信ではお母さまもライブでご覧になっているとのこと。ブリュノは特にこのコーナー(以下続けて3曲)はご両親へのオマージュだと言っていますが、格別に嬉しそうな優しい表情。クルーナーの歌を歌うのは、とても心地いいんだよとブリュノは言っています。

<6>  I'll be Home for Christmas  クリスマスを我が家で

これはビング・クロスビーが1943年に歌ったで、「ホワイト・クリスマス」のレコードB面に収録された曲。大勢の歌手がカバーし、フランク・シナトラも歌ったクリスマスのスタンダード・ナンバー。家族から遠く離れた主人公が「クリスマスには我が家で過ごしたい」と語る歌ですが、原曲が発表されたのが第二次世界大戦の最中だったため、当時の状況をこの曲に結びつけて語られることも多いようです。
クリスマス・イブには帰るよ
あてにしていて
雪やヤドリギがあるといいな
それからツリーの下のプレゼント

クリスマス・イブは僕を見つける
愛の光がほのかに灯ってる
クリスマスには帰るよ
たとえ夢の中だとしても

パラグラフの終わりで何度か出てくる「たとえ夢の中だとしても If only in my dreams」が、せつないですね。ブリュノの歌を聞いていると、主人公の寂しさと家族を想う愛情とが同時に感じられて、胸が締め付けられます。

さてこれを歌い終わったブリュノ、「次はもう一つのクルーナーの曲。画面の向こうでみんな期待してるよね、感じてるよ、感じてる」。ブリュノのノエルコンサートCDにも収録されている曲なので、こんな風に言っているのでしょうか。

<7> Have Yourself a Merry Little Christmas 素敵なクリスマスを

この曲は1944年の米国ミュージカル「若草の頃 Meet Me in St. Louis」で主演のジュリー・ガーランドが歌い、その後フランク・シナトラが少し歌詞を変えて歌ってヒットさせています。「素敵なクリスマスを過ごして 心を軽やかに これからは心配事も消えてなくなる」という歌詞で始まる、優しく穏やかな歌。


さて次の曲はエルヴィス・プレスリーが歌った「ブルー・クリスマス」。お母さまがプレスリーの大ファンなので、特にこの曲はお母さまに捧げたいと言っています。

<8> Blue Christmas ブルー・クリスマス

「君がいなくて 僕にはブルーなクリスマス・・・」というせつなさを歌った歌ですが、「ツリーの緑にデコレーションの赤、君にはホワイト・クリスマス、でも僕はブルーな気持ち」と、シンプルな歌詞を様々な色で表現しているのが巧みな歌詞です。

ちなみに昨年のノエルコンサートでもブリュノはこの曲を歌っていました。その初回公演では、動きも声もものすごくプレスリーに寄せてきて(とても似てました!)、コミカルな動きもしてみたり。その分、喉が疲れるだろうなと思っていたのですが、やはり徐々にマネの部分を薄めて、ちょうど今回の配信時のような「少し似せてる」ところに落ち着いてきていました。ひょっとしたら、若い頃からそうしてお母さまたちを楽しませてきてたのかもしれませんね。

クルーナーのコーナーはここで終了。次の曲は、何年も歌い継がれてきたジョン・レノンの名曲。これはノエル曲ではありませんが、「平和」がテーマのブリュノのノエルコンサートには必須の歌です。

いつもなら、歌う前にブリュノが「できれば君たちも参加して!簡単だよ、僕が合図したら、君たちはそこで「ウ・ウー」って歌うだけ」と簡単なレクチャーをして歌をスタートさせます。今回は「『ウ・ウー』ってやってほしいけど、君たちは家のサロンでくつろいで歌う感じかな」(*1番2番の各第1・2段落の最後で「ウ・ウー」が入ります)

<9> Imagine イマジン

想像してごらん 天国はないんだと
簡単なんだよ やってみれば
僕らの下に地獄はなく
僕らの上には空があるだけ
想像してごらん すべての人が
今日のために生きているんだと

想像してごらん 国なんてないんだと
難しくはないよ
何かのために 殺すことも死ぬこともなく
そして 宗教もない
想像してごらん すべての人が
平和に生きているんだと

*夢みたいなことって君は言うかもしれない
でも 僕は一人じゃない
いつか君がこちらに来てくれるといいな
そして世界は一つになっていく*

想像してごらん 何も持つものなんてないと
できるかな
飢えも欲望もなく
あるのは 人間の兄弟愛
想像してごらん すべての人が
世界を分かち合っているんだと

**繰り返し


<10> Adeste Fideles  神の御子は今宵しも

優しいトーンの「イマジン」に続いて、すぐに始まるのがクリスマスの賛美歌曲「Adeste Fideles アデステ・フィデレス」です。
この歌はフランス語で歌われるバージョンもありますが、ブリュノはいつもラテン語歌詞のものを歌っています。力強く高らかに、圧倒的パワーで神の世界の荘厳さを表現。歌詞の内容は、キリストの生誕を表しています。

冒頭部分を日本語に訳すと、こんな感じです↓(ラテン語→フランス語の訳詞→日本語訳)

そば近くへ 信者よ 悦びにあふれ 輝かしき者よ
来たれ 来たれ ベツレヘムへ
天使の王が 生まれたもうた
来たれ 崇めよ (3回繰り返し) 主を


ブリュノの「アデステ・フィデレス」の直後はいつも割れるような拍手喝采&スタオベなのですが・・・。無観客なので当然反応がないので、歌い終わったブリュノの反応、軽く戸惑っている感じが出ていますね。

さてこの曲が終わったブリュノ、「ここまではまさしくクラシックで荘厳な感じだったけれど、次はかなり趣向を変えてジャズの雰囲気で行くよ。ピアノを担当しているジュリー・ラモンターニュが今までの歌もいくつかアレンジしてくれてるけど、次もそう。チャーリー・ブラウンの歌」。ブリュノは冒頭、指を鳴らしてかっこよくリズムを取って歌いだします。

<11> Christmas Time is Here クリスマスがやってきた

クリスマスがやってきた
喜びと 陽気な笑い
子供たちの声がはじける
あの子たちのお気に入りの季節

粉雪が宙を舞い
聖歌が いたるところに
いにしえの時間と なつかしいメロディー
愛と夢を分かち合おう

そりの鈴の音が宙を舞い
美しさが いたるところに
暖炉のそばの ノエルの時間
楽しい記憶が そこにある


これは、1965年にパイロット版のアニメとして製作された「クリスマスだよ、チャーリー・ブラウンA Charlie Brown Christmas」の中の曲。チャーリー・ブラウンといえばアメリカの漫画「ピーナッツ」の主人公で、スヌーピーの飼い主・・・なのですが、ブリュノの歌は軽やかで大人の雰囲気に仕上がっていて、歌を聞いてるだけでは原曲がスヌーピー・アニメの歌だとは思えないですね。(残念ながら私はこのアニメを見ていないので、どのようなシーンで使われている歌なのかはわからないのですが・・・)

歌が終わると、「この素敵なミュージシャンをみんなにも知ってほしい」とブリュノはミュージシャンを紹介します。
ヴァイオリン:シャンタル・ベルジュロン、ヴィオラ:マルティヌ・ガニェ、チェロ:アニー・ガドボワ、ピアノ:ジュリー・ラモンターニュ!

「OK!」と言ってブリュノが紹介する次の曲は、「ものすごくジャズっていう曲じゃないけど、それでもジャズの雰囲気の曲」。
これはルイ・アームストロングがヒットさせた曲で、日本ではCMなどにも何度も使われ、多くの歌手がカバーしています。

<12> What a Wonderful World この素晴らしき世界

木々の緑 薔薇は赤く
咲き誇る 君と僕のために
そして 僕は自分にこういうんだ
なんて素敵な世界だろうと

~~~~

赤ん坊の泣き声 その成長する姿
彼らはもっと学んでいくだろう
僕が知ってることよりも
そして 僕は自分にこういうんだ
なんて素敵な世界だろうと


<13> Le temps des cathédrales カテドラルの時代

すぐに続けて歌われるこの曲、解説不要と思いますが、今も世界で愛されるミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」の大ヒット曲。今回これをブリュノが歌いだした時、「今回無観客だから、ブリュノはフルコーラス歌ってくれるわ・・・」とほくそえんだことを告白しておきます。通常のコンサートだと、後半の繰り返し部分をブリュノはマイクを客席に向けて、観客の大合唱というパターンなんですね(もちろんラストはバーンとかっこよく締めます)。

せっかくなので、これも歌詞を改めて紹介すると、
(繰り返し部分)
カテドラルの時代がやってきた
世界が迎えた新たな世紀
人は望んだ 星へ向かって登ることを
自分の物語を刻むことを
ガラスや石の中に


(ラスト、曲調が変わってから)
カテドラルの時代は もう終わりだ 
野蛮人の群れが
街の城門のところに
中へ入れろ
異教徒を 破壊者を
予言は言う
この世の終焉は 西暦2000年だと 


曲が終わって軽く笑いが起こっているのは、やはり拍手喝采がないからでしょう。「いつもならここで拍手があって、アンコールってなるんだけど・・・」。さらに「コンサートはここで終わり。本来ならひとまずここで終わって、舞台からみんな引っ込んで、アンコールがかかったらまた出てきて歌う・・・っていうスタイルだけど、今回のバージョンではすぐにアンコールをやるよ」。そして、「ノエルのコンサートをこの曲なしでは終われない」と言って歌いだします。

<14> Minuit, Chrétien さやかに星はきらめき

ウィキペディアの日本語タイトルは上記のようになっていますが、フランス語の原題を直訳すると「真夜中(だ)、キリスト教徒たち(よ)」という感じです。

真夜中だ 信徒たちよ  荘厳な時間だ
神の人が 我らのところに降臨したもう
原罪を消し去るために
父の怒りを解くために

世界中が 希望で震える
今宵 救世主をお与えくださる

民よ 膝まづいて  解放の時を待て
ノエル  ノエル  贖い主(あがないぬし)が 今ここに


無事に歌い終わったブリュノは、コンサートを配信してくれたWhitebox Playや関係者、そして画面の向こうの観客にお礼を言い、このコンサートができたことがとても嬉しいと喜びを述べ、そして「健康に気をつけて、良い年の瀬を、良い新年を」と言って締めくくっています。

無観客ということで戸惑いつつも、ライブ生配信だったので、ブリュノは画面の向こうの観客を想い、暖かい眼差しで話しかけてくれていました。生の舞台に勝るものはないですが、簡単には劇場まで行けない状況の者にとっては配信でコンサートを見られるというのは感謝感謝です。

ブリュノのコンサートツアーは2021年の新たな日程が発表されています。日本から新年早々の分は行くことはかないませんが、早く疫病が収まって、なんの心配もなく世界中の観劇が楽しめるようになってくれることを祈ってやみません。


<ブリュノのノエルコンサート2020 レポート>
Part 1  
Part 2

[2020年12月27日]



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アーティスト・プロフィール
Bruno Pelletier

Bruno Pelletier ブリュノ・ペルティエ

カナダのフランス語圏ケベック州出身。3度の最優秀男性歌手賞の実績を誇る実力派歌手。ミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」で人気を不動のものに。ロックからジャズまで幅広い音楽を豊かに歌いこなし、定期的に東欧でもツアーを行っている。

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