「君のまわりで」ツアー・レポート
冬でもケベックは、暖かかった・・・。
ブリュノ・ペルティエの2017年「Regarde autour 君のまわりで」ツアー、今回は真冬の1月スタート(通常は秋始まり)。でも、外の気温がどうあれ、今回のコンサートはひと際暖かいものになるだろう、と予想していました。
それは、今回のアルバム「Regarde autour」には癒し系の穏やかで優しい歌がぎゅっと詰まっているから。
そして、ブリュノのコンサート。
舞台が暗転し、舞台の中央に少しだけ見える影。光が当たってそこにいるのは、ブリュノ・ペルティエ。
ブリュノが歌いだしたのは、「Ces jours-là この日々に」。
この曲、今回のアルバムの中でもブリュノの声がひと際美しくのびる曲の一つで、CDを聞くたびにうっとりしています。「Ces jours-là il y a nous...この日々に 僕らはいる・・・」という、シンプルだけど、穏やかにでも熱く迫ってくる歌声。大好きな曲の一つ。
ああ、この歌で始めるんだ・・・。
いきなり腰が砕けるというか、「やられた」感でいっぱい。普通ならクライマックスで持ってきてもいいような歌なのに。この歌1曲だけでも、はるばるケベックに来る価値がある・・・と思いながら聞いていました。しょっぱなから心を持っていかれた状態。
今回のツアーではバック・ミュージシャンは二人、ブリュノもかなりの曲でいろんなギターを担当。元々ミュージシャン志望だったブリュノはいろんな楽器をこなせます。
今回のアルバムで作曲も手掛けているMartin Bachand マルタン・バシャンのギターとシンセサイザー(名称がよくわかりません・・・)の演奏とアレンジがとても透明感があって秀逸で、ブリュノの声をさらに引き立ててくれます。より深まる感動。
そして曲の間でのトークはいつものようにとても楽しい!お隣の女性(だけではないけど)が、ブリュノのウィットに富んだジョークに毎回それはそれは楽しそうに笑ってらっしゃって(ゲラゲラっていう笑いではないのです)、会場にとても暖かい空気が流れているのが客席にいるとよくわかります。
ブリュノは自分が一方的に話すだけではなく、積極的に客席に語りかけ、観客との「やりとり」を楽しみます。客席から答える人もいます(答えるのは男性が多いような気が)。「人」が好きなんだなあといつも思います。
アルバムの中からは、ヒット曲「Regarde autour 君のまわりで」等々多数の曲。
今回のアルバムは優しさ感を出すために、CDでは少々声にエフェクトがかかっている歌も多いのですが、コンサートでは逆に生声での歌が味わえるだろうなと思っていました。そしてまさしく予想通り!!CDより少し深みと豊かさと広がりのある生の美声。私はこのCDの軽めの優しい仕上がりも大好きですが、上質な香りをまとったような深みのある生声は「響く」感じ(音響という意味ではなく・・・)。そして、コンサートではいつもそうですが、CDとは少し違う歌い方。心に迫ってくる歌い方をしてくるんですよね・・・。
もちろん明るい曲は明るく、そしてハートフルに。
今回は今までのブリュノのヒット・メドレーもありました。ブリュノはそれに特別にタイトルをつけ、題して「あ、その歌聞いたことある!え?それ君が歌ってたの?」メドレー!(←「長い!」と思わず心の中で突っ込み(笑))
流行に疎い私などは特に、日本でこういう(あ~これってサビの部分とかよく知ってるけどあの歌手の歌だったんだ~)状態があるので、このタイトルを聞いて、「あーわかるわかる」って思いました。
日本にいる私には正直、ケベックでどの曲がどれだけヒットしていたかというのはあまりよくわかりません。しかしそのメドレーで結構な数の歌が歌われていたので(もちろん各曲は短縮されています)、それだけブリュノの歌は多かれ少なかれヒットしてきたということなんだなあと思って聞いていました(そしてコンサートでよく歌われている曲も多かったので、つまりヒット曲だからコンサートでよく歌っていたのね、と妙に納得)。
そして、一幕の終わりの曲は、「ノートルダム・ド・パリ」から「カテドラルの時代」。
でも、歌いだしたのはブリュノではありません。
それは動画で始まりました。歌ったのは、世界各国のブリュノのファンたち。男性もいれば女性もいて、それぞれ若干キーが違ったり、グループだったり。それらをつなげて聞いて感じたのは、ファンからブリュノへの暖かな愛・・・。
そして今度はブリュノが歌いだします。いつものように、かっこよく、豊かに、高らかに。
いつものように、観客に歌わせる部分も(←私もおとなしく参加)。
そして・・・このカテドラルをブリュノが鮮やかに歌い終えると、その直前から観客は総立ちだったのですが、私はなかなか立つことができませんでした。どうしてなんだろう、この感動・・・。
今までブリュノのカテドラルを何度聞いてきたかわからない。
「この歌を聞けた!」という類の喜びは、さすがにもうありません。
それでも毎回毎回新たな感動をもらってきて、そして・・・どうして今、立てないくらいに感動させられるんだろう・・・。
オーケストラだったわけでもなく、フルで歌ったわけでもなく、いつもより短い、いつもと同じはずのカテドラルで・・・。
これだから、この人のコンサートはやめられないのかもしれない・・・。
今回のコンサートでは、久々に「Je sais nous」が歌われました(「Microphonium」2009年)。この歌の間奏部分の「ラ・ラ・ラ~~・・・」とブリュノが歌うところで、客席が頭上に両手を高く上げて左右に動かす、というのを当時やっていたのですが、今回私はそれを胸の前で小さくやっていました。すると、2席向こう隣の友達も同じようにやっていて・・・お互い顔を見合わせて笑う顔と顔。
(しかし後日後ろのほうの席に座ったら、結構客席全体で手を高く上げて動かしていたので、なんだ~みんなやってるんだ!と(笑))
そして、とても素敵な「The Rose」。いつも「Purple rain」を混ぜたバージョンですが、今回はいつもよりその部分が長くなっていました。今回のツアーでは前年2016年に亡くなった方々へのオマージュ・ソングがいくつか歌われ、この歌ではプリンスへのオマージュだったのですね。
「Berce-moi あやしておくれ」では、セリーヌ・ディオンの「L'amour existe encore 愛はまだ残っている」を織り交ぜて歌いました。この歌も綺麗な旋律と優しい歌声で、不安定な世界の中での明日への希望を歌う癒し系の曲。この歌詞と、セリーヌの歌の歌詞がぴたりと寄り添いあって相乗効果を発揮し、静かで大きな優しさの波に包まれている感じでした・・・。
「Berce-moi あやしておくれ」を歌うブリュノ
そして癒し系の歌だけではなく、いつものように感動系の「Miserere」や「La Manic」ももちろん歌われ、スタンディング・オベーションと拍手喝采!!感動の嵐!
ああ・・・本当に素敵なコンサートだった。心が震える、心が温まる、心が清められる・・・そんなコンサート。
コンサートから3週間ほど経ちましたが、今でもまだ耳に残っているブリュノの声を脳内で聞いては、うっとりしています。
今回はCDとは違う歌声だったこともあり、頭に残る歌声が明確に生で聞いたものだとわかる歌が多く、「うん、これはコンサートで聞いたやつ・・・♪」と今でも自分で嬉しく脳内再生しています(基本的にコンサート後はCD等は一切聞きません)。
いつもいつも素晴らしい歌をありがとう。
いつまでもその歌声で私たちを魅了し続けてください。
Merci pour ces belles photos Ghyslaine Payant !
おまけ1 :
サンチアサントのコンサートには、アメリカから高校生のグループが来ていました。一人一人のTシャツの背中に1文字ずつ文字が書いてあり、全員揃うと「BRUNO PELLETIER」とブリュノの名前になっています。彼らは2階サイド席を陣取っていたので、よく見えました。女子だけではなく男子も半分くらいいて、むしろ男子のほうが客席からブリュノに声をかけたりと積極的かつ盛り上がり。この日私はカメラさえ持っていかなくて、さすがにちょっと後悔。

ツアーのポスター
この日は 「J'ai essayé」の観客のメッセージ撮影などもあったため、サイン会はありませんでした。終演後、ホールでチラシを物色しているとブリュノが早々にホールに出て来て(既にお客さんはほとんど帰っていました)、高校生たちのTシャツにサイン!!これは嬉しいよねーー!!(腕にサインもらってる女子もいました(^^))。
おまけ2:
エア・カナダの国際線(トロント-羽田線)機内音楽サービスに、ブリュノのCD「Regarde autour 君のまわりで」のアルバムがフランス語圏音楽のトップで紹介されていました!!(もちろん聞くことができます)
おまけ3:
ケベック最大の本・CDチェーン店Archambaultにて。ブリュノのCDは目立つところにありました(下の段に分かれて計2か所)。新譜コーナーにも!!


[2017年2月23日]
ブリュノ・ペルティエの2017年「Regarde autour 君のまわりで」ツアー、今回は真冬の1月スタート(通常は秋始まり)。でも、外の気温がどうあれ、今回のコンサートはひと際暖かいものになるだろう、と予想していました。
それは、今回のアルバム「Regarde autour」には癒し系の穏やかで優しい歌がぎゅっと詰まっているから。
そして、ブリュノのコンサート。
舞台が暗転し、舞台の中央に少しだけ見える影。光が当たってそこにいるのは、ブリュノ・ペルティエ。
ブリュノが歌いだしたのは、「Ces jours-là この日々に」。
この曲、今回のアルバムの中でもブリュノの声がひと際美しくのびる曲の一つで、CDを聞くたびにうっとりしています。「Ces jours-là il y a nous...この日々に 僕らはいる・・・」という、シンプルだけど、穏やかにでも熱く迫ってくる歌声。大好きな曲の一つ。
ああ、この歌で始めるんだ・・・。
いきなり腰が砕けるというか、「やられた」感でいっぱい。普通ならクライマックスで持ってきてもいいような歌なのに。この歌1曲だけでも、はるばるケベックに来る価値がある・・・と思いながら聞いていました。しょっぱなから心を持っていかれた状態。
今回のツアーではバック・ミュージシャンは二人、ブリュノもかなりの曲でいろんなギターを担当。元々ミュージシャン志望だったブリュノはいろんな楽器をこなせます。
今回のアルバムで作曲も手掛けているMartin Bachand マルタン・バシャンのギターとシンセサイザー(名称がよくわかりません・・・)の演奏とアレンジがとても透明感があって秀逸で、ブリュノの声をさらに引き立ててくれます。より深まる感動。
そして曲の間でのトークはいつものようにとても楽しい!お隣の女性(だけではないけど)が、ブリュノのウィットに富んだジョークに毎回それはそれは楽しそうに笑ってらっしゃって(ゲラゲラっていう笑いではないのです)、会場にとても暖かい空気が流れているのが客席にいるとよくわかります。
ブリュノは自分が一方的に話すだけではなく、積極的に客席に語りかけ、観客との「やりとり」を楽しみます。客席から答える人もいます(答えるのは男性が多いような気が)。「人」が好きなんだなあといつも思います。
アルバムの中からは、ヒット曲「Regarde autour 君のまわりで」等々多数の曲。
今回のアルバムは優しさ感を出すために、CDでは少々声にエフェクトがかかっている歌も多いのですが、コンサートでは逆に生声での歌が味わえるだろうなと思っていました。そしてまさしく予想通り!!CDより少し深みと豊かさと広がりのある生の美声。私はこのCDの軽めの優しい仕上がりも大好きですが、上質な香りをまとったような深みのある生声は「響く」感じ(音響という意味ではなく・・・)。そして、コンサートではいつもそうですが、CDとは少し違う歌い方。心に迫ってくる歌い方をしてくるんですよね・・・。
もちろん明るい曲は明るく、そしてハートフルに。
今回は今までのブリュノのヒット・メドレーもありました。ブリュノはそれに特別にタイトルをつけ、題して「あ、その歌聞いたことある!え?それ君が歌ってたの?」メドレー!(←「長い!」と思わず心の中で突っ込み(笑))
流行に疎い私などは特に、日本でこういう(あ~これってサビの部分とかよく知ってるけどあの歌手の歌だったんだ~)状態があるので、このタイトルを聞いて、「あーわかるわかる」って思いました。
日本にいる私には正直、ケベックでどの曲がどれだけヒットしていたかというのはあまりよくわかりません。しかしそのメドレーで結構な数の歌が歌われていたので(もちろん各曲は短縮されています)、それだけブリュノの歌は多かれ少なかれヒットしてきたということなんだなあと思って聞いていました(そしてコンサートでよく歌われている曲も多かったので、つまりヒット曲だからコンサートでよく歌っていたのね、と妙に納得)。
そして、一幕の終わりの曲は、「ノートルダム・ド・パリ」から「カテドラルの時代」。
でも、歌いだしたのはブリュノではありません。
それは動画で始まりました。歌ったのは、世界各国のブリュノのファンたち。男性もいれば女性もいて、それぞれ若干キーが違ったり、グループだったり。それらをつなげて聞いて感じたのは、ファンからブリュノへの暖かな愛・・・。
そして今度はブリュノが歌いだします。いつものように、かっこよく、豊かに、高らかに。
いつものように、観客に歌わせる部分も(←私もおとなしく参加)。
そして・・・このカテドラルをブリュノが鮮やかに歌い終えると、その直前から観客は総立ちだったのですが、私はなかなか立つことができませんでした。どうしてなんだろう、この感動・・・。
今までブリュノのカテドラルを何度聞いてきたかわからない。
「この歌を聞けた!」という類の喜びは、さすがにもうありません。
それでも毎回毎回新たな感動をもらってきて、そして・・・どうして今、立てないくらいに感動させられるんだろう・・・。
オーケストラだったわけでもなく、フルで歌ったわけでもなく、いつもより短い、いつもと同じはずのカテドラルで・・・。
これだから、この人のコンサートはやめられないのかもしれない・・・。
今回のコンサートでは、久々に「Je sais nous」が歌われました(「Microphonium」2009年)。この歌の間奏部分の「ラ・ラ・ラ~~・・・」とブリュノが歌うところで、客席が頭上に両手を高く上げて左右に動かす、というのを当時やっていたのですが、今回私はそれを胸の前で小さくやっていました。すると、2席向こう隣の友達も同じようにやっていて・・・お互い顔を見合わせて笑う顔と顔。
(しかし後日後ろのほうの席に座ったら、結構客席全体で手を高く上げて動かしていたので、なんだ~みんなやってるんだ!と(笑))
そして、とても素敵な「The Rose」。いつも「Purple rain」を混ぜたバージョンですが、今回はいつもよりその部分が長くなっていました。今回のツアーでは前年2016年に亡くなった方々へのオマージュ・ソングがいくつか歌われ、この歌ではプリンスへのオマージュだったのですね。
「Berce-moi あやしておくれ」では、セリーヌ・ディオンの「L'amour existe encore 愛はまだ残っている」を織り交ぜて歌いました。この歌も綺麗な旋律と優しい歌声で、不安定な世界の中での明日への希望を歌う癒し系の曲。この歌詞と、セリーヌの歌の歌詞がぴたりと寄り添いあって相乗効果を発揮し、静かで大きな優しさの波に包まれている感じでした・・・。
「Berce-moi あやしておくれ」を歌うブリュノ
そして癒し系の歌だけではなく、いつものように感動系の「Miserere」や「La Manic」ももちろん歌われ、スタンディング・オベーションと拍手喝采!!感動の嵐!
ああ・・・本当に素敵なコンサートだった。心が震える、心が温まる、心が清められる・・・そんなコンサート。
コンサートから3週間ほど経ちましたが、今でもまだ耳に残っているブリュノの声を脳内で聞いては、うっとりしています。
今回はCDとは違う歌声だったこともあり、頭に残る歌声が明確に生で聞いたものだとわかる歌が多く、「うん、これはコンサートで聞いたやつ・・・♪」と今でも自分で嬉しく脳内再生しています(基本的にコンサート後はCD等は一切聞きません)。
いつもいつも素晴らしい歌をありがとう。
いつまでもその歌声で私たちを魅了し続けてください。
Merci pour ces belles photos Ghyslaine Payant !
おまけ1 :
サンチアサントのコンサートには、アメリカから高校生のグループが来ていました。一人一人のTシャツの背中に1文字ずつ文字が書いてあり、全員揃うと「BRUNO PELLETIER」とブリュノの名前になっています。彼らは2階サイド席を陣取っていたので、よく見えました。女子だけではなく男子も半分くらいいて、むしろ男子のほうが客席からブリュノに声をかけたりと積極的かつ盛り上がり。この日私はカメラさえ持っていかなくて、さすがにちょっと後悔。

ツアーのポスター
この日は 「J'ai essayé」の観客のメッセージ撮影などもあったため、サイン会はありませんでした。終演後、ホールでチラシを物色しているとブリュノが早々にホールに出て来て(既にお客さんはほとんど帰っていました)、高校生たちのTシャツにサイン!!これは嬉しいよねーー!!(腕にサインもらってる女子もいました(^^))。
おまけ2:
エア・カナダの国際線(トロント-羽田線)機内音楽サービスに、ブリュノのCD「Regarde autour 君のまわりで」のアルバムがフランス語圏音楽のトップで紹介されていました!!(もちろん聞くことができます)


おまけ3:
ケベック最大の本・CDチェーン店Archambaultにて。ブリュノのCDは目立つところにありました(下の段に分かれて計2か所)。新譜コーナーにも!!




[2017年2月23日]