2013ブリュノ・コンサートレポート (1)

光 - La Lumière (1)
( 2013 「Rendus là たどりつく場所」ツアー) コンサート・レポート


光がどうして存在するのか、私は知らない。

虹の鮮やかな魔法が、月の淡い光が
なぜこんなにも人を魅了するのか 私は知らない。

理由を知らなくても、感じている。
そうして私の光はそこにある。
日出ずる国の太陽の昇る方角に。




ブリュノ・ペルティエの今回のコンサート・ツアーは
前年発表されたアルバム「Rendus là たどりつく場所」のもの。
2012年秋~2013年春にかけて、ケベック州のあちこちを巡回。

新譜の曲、
事前にファンが選んだ10数曲の中から当日観客にくじ引きで選ばれた曲、
カントリーなど他の歌手の往年のヒット曲、
心にしみるバラード、軽快なポップ、アップテンポなロックなど様々。
ブリュノが何をどう歌っても心から素敵だと思える幸せ。

往年のヒット曲コーナーでは、
ジョー・ダッサンなど歌手名は一応知ってるけど
曲はほぼまったく知らなった音楽音痴な私。

「ほんとに何も知らないわ、ブリュノ」と
自分の無知さ加減を情けなく思いながら聞いていると、
3日めで全てブリュノ・ペルティエの曲として脳が認識。

今回は珍しく「ノートルダム・ド・パリ」から「道化の祭り」を
グランゴワールの演技つきで披露。
オリジナルキャスト版コンサートと同じグランゴワールがそこに。

最後の日には「スターマニア」から「SOS d'un terrien en détresse」も。
「カテドラルの時代」と「ラ・マニック」は必須事項。




今回一番心に響いたのは、
アルバムの「Rendus là」のタイトル曲や
Peter Gabriel の 「Don't give up」など。

Rendus là たどりつく場所」の歌詞抜粋:

いつか 僕はくたびれ果て
君もわかるだろう 疲れたその体では
もう今ほどに君を愛せないと
それでも君は愛してくれるかい

そこにたどりついても
僕らは強くいられるかい
そこにたどりついても
まだ僕の声を聞いてくれるかい


Don't Give Up あきらめないで」抜粋:
(女性パートは、ピアノのジュリー・ラモンターニュが担当)

誇り高き地で 僕らは育った
強くあれと 期待されて
戦え 勝て そう教えられて
負けるなんて 考えもしなかった

もう戦うこともなくなって
すべてを投げ捨てたくて
顔を変え 名前を変え
でも誰も見向きもしない 負けたやつに

(中略)

あきらめないで
あなたにはまだ 私たちがいるわ
あきらめないで
たいしたものは必要じゃないの
あきらめないで
どこかに居場所は見つかるわ



「Rendus là たどりつく場所」のほうはCDで何度も聞いていたけど
コンサートでは本当に魂の叫びのように歌うブリュノ。
それはずるい、ブリュノずるい・・・。
そんなことを思いながら心の琴線が震えて止まらず。

「Don't Give Up あきらめないで」は初めて聞いたけれど
ブリュノの歌い方がそれは切なく、ここでもまた涙止まらず。

暗い舞台にほのかなランプの光。浮かび上がるブリュノ。
闇の中、一筋の光を求めてさまよう男の姿。

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(Crédit photo : Ghyslaine Payant)


アルバム「Rendus là」は曲の1つ1つが
ブリュノの親しい人へ宛てた「手紙」。
なかなか普段言えない想いを曲にしたというブリュノ。
いつも以上に「心」を感じるコンサートだったのは
きっとそのせい。




全てが終わって、日の沈む方向へ帰っていく私。

闇がどうして存在するのか、私は知らない。
なぜ人は泣くのか、私は知らない。

理由を知らなくても、感じている。
声を、想いを、魂を。
そうして私の光はそこにある。
私の愛する日出ずる国に。




光 - La Lumière (2013 「Rendus là たどりつく場所」ツアー)

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新譜「Car le temps est venu」
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アーティスト・プロフィール
Bruno Pelletier

Bruno Pelletier ブリュノ・ペルティエ

カナダのフランス語圏ケベック州出身。3度の最優秀男性歌手賞の実績を誇る実力派歌手。ミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」で人気を不動のものに。ロックからジャズまで幅広い音楽を豊かに歌いこなし、定期的に東欧でもツアーを行っている。

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