Bruno Pelletier Japon : 「音楽と映画」~ シンフォニー版 ~ コンサートレポート1

「音楽と映画」~ シンフォニー版 ~ コンサートレポート1

Chants en lumière 氷の国の光の歌
~ 「音楽と映画」ツアー・コンサートレポート (1) シンフォニー版~

「今宵は『私はそこにいたんだよ!』と言うべきショーになるでしょう」
それは、「光のモントリオール」の主催者が
ブリュノの「音楽と映画」コンサート冒頭で挨拶として締めくくった言葉。

そして厳かに、コンサートの始まり。

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「光のモントリオール Montréal en lumière」は
2015年で16回を数える冬のモントリオールの一大イベント。
コンサートや演劇、ダンスなどの舞台やグルメのイベントを始め、
移動式の観覧車や氷の滑り台などのアクティビティも。

ブリュノ・ペルティエの「音楽と映画 Musique & Cinéma」ツアーは、
その「光のモントリオール」のオープニング・コンサートとして選ばれ、
モントリオールで最大の劇場 ウィルフリッド・ペルティエ・ホールで
メトロポリタン交響楽団とともにシンフォニー版のコンサートとして
華々しく開催されることとなりました。

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「光のモントリオール」の全イベント掲載パンフレット。
広告含めて160Pを超える冊子に、ブリュノのコンサートが
冒頭1/2サイズでどーんと載っています。



ツアーが始まった頃のインタビューで、ブリュノが
「シンフォニー版のオファーがいくつか来ている」という話をしていたけれど、
こんな大きな催しのオープニングイベントに指名されるとは思っておらず
正直、驚きました。

フェスティバルの発表記者会見では、
今回の目玉の1つであるブライアン・アダムスのコンサートのポスターと並んで
ブリュノ+サントンジュさんのコンサートポスターが飾られていて、
さらに驚いたり(笑)。

2014年9月に発売されたブリュノとサントンジュさんのCD「音楽と映画」は、
発売直後1週間の時点で、ケベック州最大規模のCDチェーン店Archambaultにて
フランス語圏CDの週間販売トップの座を獲得。
またブリュノ自身、既にモントリオール交響楽団とソロコンサートの実績があった
ということも、こういうオファーを得る要素だったのかもしれません。

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会場となったウィルフリッド・ペルティエ・ホールは
(*会場名に「ペルティエ」と入っていますが、ブリュノとは無関係)
モントリオールのプラス・デザール Place des Artsという一角にあり、
建物も音響もとても美しい劇場でした。

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La Salle Wilfrid-Pelletier

このシンフォニー版は、基本的には通常版(ピアノ版)を踏襲。
つまり、オーケストラが後方にいるけれど、
舞台の前方にはサントンジュさんが弾くピアノやブリュノが奏でるギターが置かれ、
ブリュノがギターだけで歌う歌もありました。

コンサートはまず、サントンジュさんのピアノのメロディーだけで静かに始まり、
そこにオーケストラの演奏が加わって、オープニング器楽曲。
曲が終わって、ブリュノがほんの少し緊張しながら登場。
「緊張している」とわかるほどではないのですが、
通常版の我が家のようにリラックスしている表情とは
少し違うという感じでしょうか。

そういう、良い意味でのぴんと張り詰めた空気の中、
ブリュノが静かに歌い出すのは「La maison sous les arbres 木陰の家」。
ブリュノの豊かな歌声がオーケストラに彩られ、
通常版とはまた違った広がりを持って、心にじんわり響きます。
曲が終わると、ブラボー&拍手!!

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Photo by Ling Yan

ブリュノが歌うのは、CDに入っている曲ばかりではありません。
「The Rose」に「Purple Rain」を加えたオリジナルバージョンを
自分が奏でるギター1本でメランコリックに歌い始めるブリュノ。
「Purple rain, purple rain...」のリフレイン部分を歌った後、
小声で「一緒に歌って・・・」と言って観客に歌わせます。
でも何度かリフレインが続いた後、
やっぱりささやくように「・・・もう終わったよ~~」と言って笑わせ、
その後さっと「The Rose」のラストを艶やかに歌いあげてフィニッシュ。

こんな素敵なバラードの中に、自然な感じで観客をまきこむのもうまいのですが、
でもそれ以上に、その後で鮮やかに切り替えて歌いあげてしまうので、
余計に心を持っていかれてしまいます。


「光のモントリオール」の公式動画。
順に「La maison sous les arbres 木陰の家」
「Against All Odds 見つめて欲しい」「The Rose 薔薇」



さて、ブリュノが「Calling you コーリング・ユー」を歌い始める前に、
スタッフが脇からさっとブリュノの横の譜面台にタブレットをスタンバイ。
「ちょっとサプライズがあるんだけど、後でね」と言ってから、歌い出すブリュノ。

歌の後、ブリュノはそのタブレットを持って、客席側に画面を見せます。
映っている女性はブリュノのファンで、メキシコからSkypeで生中継!
今回のツアーの企画として、毎夜いろんな遠い国に住むファンを
ブリュノの舞台に「招待」し、ブリュノの歌声をダイレクトに届けるというもの。
ブリュノは1回のツアーで何十か所も周りますから、
それだけのファンが世界中にいるということですね。

メキシコのファンはにこやかに手を振って、ブリュノは画面上の彼女に投げキス。
ブリュノはいつもこの時に「Calling you」を歌っているようですが、
「(電話で)君を呼んでいる」というタイトルは、ちょっとこの状況とリンクしていて
なかなかいいなあと思います。
その後タブレットはスタッフが回収し、企画コーナーは無事終了。

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CD「音楽と映画」の歌を中心に、様々な歌を歌うブリュノ。
その光景が目に浮かぶかのようなサントンジュさんの編曲とともに
1つの歌が、歌以上の何かに変わる瞬間。
生の舞台にしかない至福。

私はもう10年以上ブリュノのコンサートを聞いてきて、
さすがに「生で聞けた」という類の感動はあまりありません(曲によりますが)。
それでも、心を揺さぶられる何かがある。
何度聞いても、涙が流れる強さと優しさが同居した歌声。
心の奥底へダイレクトに響いてくる歌の大河。
時に軽快、時にじんわり、
ブリュノの宇宙に包まれる極上空間。

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Photo by Ling Yan

そして最後・・・。
ブリュノは「ノートルダム・ド・パリ」の中から
「Lune(リューン) 月」を歌い出しました。
今回の「音楽と映画」通常版では歌っていない曲です。
いつもながら感動的なブリュノの絶品「Lune」。

さすがにシンフォニー版ではこの曲を入れてきたんだなと喜んでいると、
オーケストラはそのまま続いて、
ノートルダムの一幕最後の曲「Fatalité(ファタリテ) 運命」の旋律に。
それを歌うのかな?と思っていると、ブリュノが歌いだしたのは
同じくノートルダムからブリュノのミリオンセラー曲でもある
「Le temps des cathédrales カテドラルの時代」。

ブリュノは今までミュージカルメドレーで
この2曲を一緒に歌ったことはありますが、
「リューン」に始まり、「ファタリテ」つなぎの「カテドラル」なんて力技、
ノートルダムのオリジナルキャスト・コンサートの指揮をしてきた
サントンジュさんならではだし、
ブリュノという逸品の素材だからこそ沸いたアイデアなのでしょう。

サントンジュさんが用意した海を
鮮やかに高らかにその歌声をもって渡っていくブリュノ。
そして観客を水平線の彼方へと連れていく・・・。


コンサートは感動の拍手とともに終了。

帰途はマイナス15℃の吹雪でしたが、
不思議と寒くはありませんでした。

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コンサート翌日、劇場脇から駅へ続く通路の柱に
高さ1mほどの広告がまだ掲げられていました。
それをじっと見ている女性が1人。

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ああ・・・そのコンサートは昨日終わってしまったんですよ・・・。

さほど情報量があるわけでもないこのポスターを
眺めるというよりは、見入っている感じの彼女。
私が遠くから近付いて、通り過ぎても、ずっと。

このコンサートに行けなくて残念だからなのか、
あるいは前日の感動をかみしめているのか・・・。

おそらくはまだ後ろにそのままいるだろう彼女を思いながら
ふと前日の「予言」を思いだしていました。


・・・今宵は『私はそこにいたんだよ』
というショーになるでしょう・・・


 ⇒ <次>  「音楽と映画」~ピアノ版~ コンサートレポート2

<おまけ1>
16.gif
* Concert Photos by Ling Yan. Merci Ling ! 

Chants en lumière 氷の国の光の歌
~「音楽と映画」ツアー・コンサートレポート~
(1) シンフォニー版
(2) ピアノ版
(3) サイン会

[2015/3/24]


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<おまけ1>

街で見かけたブリュノ・ペルティエ。
ブリュノの名前が入っているだけで嬉しくなって、ついつい写真を・・・(笑)。

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 ↓拡大写真
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「光のモントリオール」広告。シンフォニー版コンサートにはブリュノの写真+名前、
その下のジャック・ブレル・オマージュコンサートにはブリュノの名前。

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地下鉄構内の「光のモントリオール」広告。 (↓拡大写真)
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CDショップで目立つ棚に平置きされていたブリュノのCD。
別のお店では、店頭のお勧めコーナーに置かれてました!

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「光のモントリオール」の記事。(Le Journal de Montréal)

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「ノートルダム・ド・パリ」オリジナルキャスト・コンサート
(2010年パリ)の記事(Paris Match)。
今回のコンサートで、ブリュノがサントンジュさんと
親しくなったきっかけとして語っていたので、ついでに。


 ⇒ <次> 「音楽と映画」~ピアノ版~ コンサートレポート2



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新アルバム「君のまわりで」
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アーティスト・プロフィール
Bruno Pelletier

Bruno Pelletier ブリュノ・ペルティエ

カナダのフランス語圏ケベック州出身。3度の最優秀男性歌手賞の実績を誇る実力派歌手。ミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」で人気を不動のものに。ロックからジャズまで幅広い音楽を豊かに歌いこなし、定期的に東欧でもツアーを行っている。

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